7章:千年後の人類のために

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世界連邦ってなに?

センセ
センセ

どんな事がありえるか考えてみよう。実現性を横において極端な話からするよ。世界連邦というのを作って解決する方法はどうだろう。

太郎
太郎

なに? それ?

センセ
センセ

これまで話してきたフリーライダー問題を解決するために、国の上のところに世界的な政府を作る方法だよ。

花子
花子

漫画とかで出てくる、「世界政府」ってやつのこと?

センセ
センセ

世界政府というと国が無くなるイメージだけど、世界連邦というと、国は国のまま存続するよ。ほとんどの事は今まで通り国で決めて、どうしても世界レベルの協調が必要な事だけ世界連邦政府レベルで決める感じだね。

太郎
太郎

へぇ、すごいな。そんなができたら、今まで言っていた問題が解決できるってわけだね。

センセ
センセ

今まで話をしていた世界規模のフリーライダー問題は、世界連邦で決めて従わせればいいから問題解決だ。

花子
花子

でも、世界連邦なんてきるわけないじゃない。世界連邦政府の議員とか首相とかどうやって決めるのよ!

センセ
センセ

やっぱ選挙かな。

花子
花子

世界レベルで選挙なんてできるの!?

センセ
センセ

簡単じゃないね。それに選挙制度も、いろいろ配慮して作らないといけないから大変だ。

花子
花子

それに、世界連邦政府が暴走したらどうやって止めるの?イヤよ危ないわ。

センセ
センセ

そうだね。もし、世界連邦政府ができるとしても、その権限はできるだけ小さくしたいよね。それにトップの人を辞めさせるリコールのような制度も必要だよね。

いずれにしても、今の人類には準備不足だ。もしも、そのような事ができるとしても、100年以上は先の話だろう。

花子
花子

ふざけないで、今はどうするのさぁ。

センセ
センセ

今は、今やっているように、各国が集まって話し合うしかない。パリ協定などの時にやっているように。

花子
花子

結局、今は何も変えられないんじゃない。

センセ
センセ

落ち着いて。前フリしてただけ。ちゃんと今できることを話すから。世界連邦は無理だけど、でもフリーライダー問題は解決したい。そこであるムーブメントを起こす必要がある。具体的な話は後回しにして、めざす基本理念について話をしよう。

花子
花子

「バラバラのまま一つになる」って何よ。意味わからない!

センセ
センセ

「バラバラのまま一つになる」というのは、国は国のまま、考え方も文化も違うまま、いろんな対立を抱えたまま。「でもね。僕らは人類という仲間だ。」と意識する事だ。

花子
花子

そんなんで何か変わるの?

センセ
センセ

何かが変わるための土台だよ。逆にいうと、これがないと何も始まらない。実は、既に、人類はバラバラのまま一つになりつつあるんだ。インターネットによって海外の情報もどんどん入ってくるようになり国境を超えた結びつきを強めているんだ。

太郎
太郎

でも、最近も戦争やっているじゃない。

センセ
センセ

そうだね。でも、思い出して欲しい。戦争で被害を受けている当事者が直接世界にむけて情報発信をするという今までにない事が起きている。当事者の声に心を動かされることができるようになったんだ。そして、我々は悲惨な映像も含む大量の情報に接して心を痛める事ができるようになっている。インターネットの時代だからこそおきた事だ。それにより、人々の意識が変わり、自分たちの損になるような経済制裁をする事に同意するようになったんだ。人々の意識の変化が基盤となって、実際の行動が変わっていったんだ。新しい仲間意識が既に芽生え始めているんだ。