7章千年後の人類のために

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今までふりかえり

太郎
太郎

プロジェクターが用意されてる! センセ気合入ってますね。

センセ
センセ

今日は、メインイベントだからな。

花子
花子

やっぱり、今までのは、冗談だったんですね。

センセ
センセ

やめて、読者に怒られてしまう。

急いで重要なことをふりかえろう。次のような図を覚えてる?

花子
花子

覚えてるわよ。協力すればお互いに「良い状態」になれるのに、ゆずらないからお互いにとって「悪い状態」が実現するってことでしょう。

センセ
センセ

そうそう。社会科学における重要なテーマの一つで、「フリーライダー問題」「社会的ジレンマ」「公共財共有問題」などいろいろな呼び方でよばれているよ。法人税競争(4章)や地球温暖化(5章)の問題を例に話をしたよね。

お金の力は素晴らしい面があるけど、こういった問題がおきるから、制御しないといけない。従来、国がこのような格差や外部性の問題を解決してきた。しかし、グローバル化によって国の力が弱くなりお金の力の制御が難しくなっているのが現在の問題なんだ。解決のためには「国と国の協力が必要だ。」

太郎
太郎

この章で、具体的にどうすればいいか話をするのですよね。

センセ
センセ

そうだよ。その前に、地球温暖化の話を少し追加しておくよ。IPCCのシミュレーションのグラフをみせたけど、あれは、はずれる事がある。それなりに頑張ってCO2を減らしていても大変な状況になる可能性もあるんだ。

太郎
太郎

えっ。そんな事あるの。

センセ
センセ

「臨界点」とか「ティッピングポイント」とか聞いたことない? ある程度、CO2などが増えていくと悪循環のスイッチが押されて元に戻すことができなくなる可能性があるんだ。
「気温が上がる⇒それが原因で毛布が厚くなる⇒気温がさらに上がる⇒毛布がさらに厚くなる⇒」といった悪循環など何種類かの悪循環の可能性が指摘されているよ。

太郎
太郎

えっ~。なんか怖いよ~。

センセ
センセ

こういう悪循環はデータが少なくてわかっていない部分が多いから、はっきりいえない。だから、4章のシミュレーションには、こういった事は入ってなかった。少し控え目ってことだね。マスメディアは話を大げさにする傾向があるけど、科学者はそうじゃない。

花子
花子

確かに、地球温暖化は問題なのかもしれないけど自分だけ辛抱するのは絶対イヤよ。皆がやるなら協力するけど、自分だけ辛抱なんて絶対しないわよ。

センセ
センセ

花子さん、偉い! すばらしいよ。

花子
花子

偉いって、私、他の人が協力しないから、私もしないって言っているのよ。

センセ
センセ

うんうん。その気持ちはよくわかるよ。自分だけ苦労するのはイヤだよね。 でも、皆と一緒なら協力するってことだよね。やっぱり偉いよ。

花子
花子

でも、それだと結局何も変わらないんじゃない。

センセ
センセ

いやいや、そうでもないよ。もし、全員が、花子さんのように「皆と一緒なら協力する」のであれば、皆で頑張ればいい。政府が抜け駆けできないようにすればいい。

花子
花子

まぁ、りくつ上はそうかもしれないけど…。

センセ
センセ

一方で「温暖化を緩和させるのに賛成の人は、その人たちだけでも辛抱しないといけない」となると賛成の人は大変だよ。地球温暖化は大きな問題だと思っていても、そんな負担はイヤだと、賛成派にならない人が出てくる。

太郎
太郎

確かに、賛成すると、今までの生活を変えないといけないのなら賛成したくないよね。

センセ
センセ

それが普通だよね。温暖化を緩和させるためにと、一生懸命に辛抱して頑張っている人は、すごく偉いけど、「今は何もしないけど皆と一緒なら協力する」と考える普通の人も、偉いと褒めた方がいい。その方が賛成の人が増えてくる。

太郎
太郎

そっか。辛抱しなくていいんなら僕も賛成しようかな。

花子
花子

そう、うまくはいかないわ。いいこと、私は、日本だけ頑張るっというのもイヤなの。他の国の人たちも一緒に頑張るのでないとイヤよ。

センセ
センセ

花子さん、痛いところをついてくるね。そうだね。それが問題なんだよね。国内の問題なら国の政府が法律を作って皆で一斉にやりましょうっとする事ができる。でも、世界的な問題を取り扱う政府のようなものがないから難しいんだ。

花子
花子

そうでしょう。さっきも、フリーライダー問題があるってセンセがいってたじゃない。

センセ
センセ

そうだね。でも、だからといってあきらめるの?

花子
花子

。。。。。