最近の論文の一つとして次のものがあります。
Lynas, Mark, Benjamin Z. Houlton, and Simon Perry. "Greater than 99% consensus on human caused climate change in the peer-reviewed scientific literature." Environmental Research Letters 16.11 (2021): 114005.
英語版ですが、科学的一致専用のwikipediaのページも作られています(外部リンク:Scientific consensus on climate change)。こちらに、同じような論文がいくつも紹介されています。
「人間活動により地球温暖化が進んでいる」のではないと異論を唱える人がいます。このような議論を懐疑論といいます。学者でこのような説を懐疑論を唱える人もいます。しかし、日本の懐疑論者は、気候学の専門家ではない人ばかりの印象があります。(懐疑論に対する反論に興味がある人は、次のYoutube動画が分かりやすいのでみて下さい。「外部リンク:地球温暖化について科学的データでお話しします」)
なお、地球温暖化の人為起源説には異論を唱えるのではなく、現在の主流の論調に異論を唱える人たちもいます。異論を唱える所が似ているので一見すると一緒にみえてしまいますが、懐疑論者ではないので明確に区別する必要があります。
「地球温暖化」という言葉と「気候変動」という言葉があります。どちらも、人間活動による気候の影響を考える点では同じです。しかし、「地球温暖化」が文字通り温暖化のみを意味するのに対して、「気候変動」は温暖化以外の変化も意味するため気候変動の方がより広い意味を持っています。たとえば、大気中のCO2濃度が高くなることによる海の酸性化が問題となっていますが、この問題は、気候変動の問題ですが、温暖化には直接関係がないので地球温暖化の問題とはいえません。
そのため、専門家は通常「気候変動」という言葉の方を使います。「地球温暖化」はやや古いよび方なのです。「地球温暖化」というキーワードで検索すると上位に懐疑論が出てきます。専門家は気候変動という言葉を使い、懐疑論者は古い言い方を使うのが一つの原因と考えられます。この章では、あえて「地球温暖化」という言葉を使っています。これは、「地球温暖化」というキーワードで検索した時に、懐疑論以外のものが出てくる量を増やしたいと考えたからです。
石油・石炭などに依存しないエネルギーを再生可能エネルギーといいます。再生可能エネルギーは近年急速に進化しています。海外の例ですが、気象条件などがよい地域で(補助金などなしの)完全な採算ベースで太陽光発電が行われています。これからも技術革新がみこまれてより再生可能エネルギーの発電コストが下がることが予想されています。
排出するCO2を完全にゼロにすることは、ほとんど不可能です。そこで考えられているのが、排出されたCO2を地下等に貯留するCCSという技術です。気体を地下に貯めるなんて不可能に思ってしまうかもしれません。しかし、天然ガスが地下に長期間滞在し続けている事を思い出せば不可能ではない事が分かります。もちろん、ハードルはあるので、これだけで解決する夢の技術ではなく排出削減の努力も必要です。