2章:価格の正体

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深く掘り下げよう(2章関連コラム)

本当に「市場価格=価値」ではないの?

価値をどう定義するかで話は変わってきます。 センセのいう「価値」は、その商品を後で転売できない状況において人々が、商品に対して持つ主観的価値です。 経済学の用語を使うなら、その商品を使う事から得られる効用です。この時、「市場価値 ≠ 価値」です。

一方、客観的価値を考え、お金のやりとり込みの価値として、「価値=市場価格」と考える立場もあります。細かな説明はしませんが、マルクス経済学でも、「価値」を、センセの使い方とは違う特殊な意味で使います。 細かな議論する際には、言葉を定義していく必要があるのですが 「価値」という言葉をどう定義するかで話が変わってくるです。 どちらが正解という事はなく言葉の使い方が違うのです。
お金の三つ目の機能
お金の機能について1章のコラムで二つお話しましたが、よくいわれる機能がもう一つあります。市場価値の尺度機能です。お金があるおかげで価格がつき、それによって、財やサービスの市場価値を数値であらわすことができます。

一つ前の項にあるように、「市場価値」のことを単に「価値」とよぶことが多いので、通常、この機能を「価値の尺度機能」とよばれています。

ダイヤモンドの価格が高い理由
ダイヤモンドの価格が高いのは、実は、ここで述べられているより複雑です。 単に、供給が少ないというだけではなく、蓄財の道具としても使われているからです。 ダイヤモンドは、実用性もありますし、困った事があった時に、売ることができます。 1章のコラムで、お金に「価値の保存機能」があると書きましたが、ダイヤモンドにも価値の保存機能があるのです。 この分、上乗せされた価格がついています。
関連書籍
「実力も運のうち 能力主義は正義か?」(マイケル・サンデル著)という本の第5章でも、この章3ページ目と同じような議論がされています。