2章:価格の正体

この記事についてツイート
↑ツイートしてね♪

価格の決まり方

センセ
センセ

先ほど確認したように、お金がない世界でも存在する商品の価値と、価格は別ものだ。それでは、価格はどのようなものか確認してみよう。多くの人にとって、ダイヤの価値は、ビー玉の一万倍なんて事はない。なぜ、ダイヤはこんなに高いのだろう?

太郎
太郎

ビー玉は、いっぱい作れるからじゃないかな。

センセ
センセ

いいところに気付いたね。そうそう。ビー玉は、いっぱい作れる。

太郎
太郎

ビー玉は、簡単に作れるから安い。ダイヤは、頑張って採掘しないといけないから高い。という事ですね。

センセ
センセ

いい線だね。大まかにはあってると思うよ。経済学の用語でいうと、需要(じゅよう)と供給(きょうきゅう)のバランスで価格は決まる

太郎
太郎

いきなり難しい言葉を使わないでください。

センセ
センセ

需要が買う側で、供給が売る側だ。さっきの話を分かりやすい言葉でいうと、買う人たちの都合と、売る人たちの都合があわさって価格が決まるんだ。

太郎
太郎

価格って、お店の人が決めるんじゃないですか?

センセ
センセ

お店の人が勝手に決めてもいいけど、高すぎると誰も買わない。安すぎる価格だとお店の人が損するから安すぎない価格をつけようとする。
取引される価格(市場価格)は皆で決めると考えられるんだ。

太郎
太郎

皆でって言っても僕は、価格を下げてってお願いした事ないよ。

センセ
センセ

でも、これは高すぎるから買うのをやめようとか、あちらの店の方が安いからあっちで買おうとかした事あるだろう。

太郎
太郎

はい。激安スーパーでよく買い物します。

センセ
センセ

同じ商品でも、完全には同じ価格にならないけど、太郎くんのような行動と、店側の売ろうとする努力のおかげで、どの店でも、大差ない価格になっていく。皆で価格を決めてると考えていいんだ。

太郎
太郎

分かるような分からないような。
もっと詳しく言うとどうなるんですか。

センセ
センセ

えっ。「もっと、詳しく。」すごい向上心だね。

太郎
太郎

えへへ。(実は、著者さんのカンペを読んだだけだけど…。)

センセ
センセ

いやー、本当すごい。賢い。太郎くん最高…。

花子
花子

センセ。口先でほめて時間をかせぎながら、スマホで、検索してるのはなぜですか?

センセ
センセ

…。あぁ花子さん、復活したか素晴らしい…。

花子
花子

棒読み調でほめてもごまかされませんよ。センセも分かってないじゃないの?

センセ
センセ

大丈夫。いいサイト見つかっ…。じゃなくて、センセに任せれば大丈夫。説明しよう。
太郎くん、花子さん。りんごが1個50円だった何個買う?

太郎
太郎

安いですね。3個買おうかな。

花子
花子

私は、1個しか食べれないので1個でいいです。

センセ
センセ

売る側(供給者側)は、農家Aと農家Bの2人だけだ。価格が50円だと安いので、どちらの農家も1個しか売ってくれない。

太郎
太郎

合計2個ですか、しょうがないです。買うのは2個だけにします。

花子
花子

なんで、太郎くんが2つとも買うの、1個ずつでしょう。

センセ
センセ

50円が安すぎて、(需要)が(供給)より多いのでケンカになるよね。こんな時は、農家たちはもっと高い価格を付けることができるよね。

センセ
センセ

それでは、太郎くん、花子さん。1個80円だったら何個買う?

太郎
太郎

あら高くなりましたね。それなら。2個で十分です。

花子
花子

私は、前と同じ1個よ。

センセ
センセ

そうだね。価格が高くなると、買う量は減る。つまり需要量が減る。一方で、価格があがると供給側はメリットが増えるので、供給量は増える。80円の場合、農家Aが2個、農家Bが1個作る。

太郎
太郎

よかった。合計3個つくってくれるんですね。それなら買う量と同じなので、ケンカせずにすみます。

センセ
センセ

そう! このように、需要と供給が一致する価格が「市場価格」だ。消費者が安いのを求め、生産者がもうけようとしていれば自然と市場価格が実現していく。

花子
花子

センセ。ダイヤの話はどうなったのかしら。

センセ
センセ

ダイヤの価格も需要と供給だ。ダイヤを身に着ける機会があるお金持ちもいるから、少数の人からかもしれないが、価格が高くても需要がある。一方、ダイヤは天然資源で価格が高くても供給を簡単には増やせないのでとても高いんだ。しかも、一旦、高い価格がつくとダイヤには資産としての価値も出てくる。ファッションにも使え、お金が必要になったら売る事もできる。

花子
花子

あら急にダイヤを持ち上げましたね。でも、偽物と本物の区別がつかないんじゃしょうがないんじゃなくて。

センセ
センセ

そうそう。だから、こういう鑑定書があるんだ。

花子
花子

えぇ! 鑑定書!

センセ
センセ

そう。見ただけではダイヤの価値が分からない人多いから、よく鑑定書をつけて売られるんだ。

花子
花子

ま、まさかとは思うけど、さっきの石ころの鑑定書?

センセ
センセ

そうだよ。センセはウソついてなかっただろ。

花子
花子

本物のダイヤを投げちゃったの? あぁ… 。 私はなんってことを… … 。

センセ
センセ

投げたのは返してもらったよ。あら、花子さん、また、固まった。